ATR音素バランス503文テキスト

 ATR音素バランス503文は、日本語における音素連鎖の出現分布を精緻に分析し、そのバランスが均等になるよう設計された、日本語音声研究のための代表的な文セットです。
 本データは、国際電気基礎技術研究所(ATR)における音声翻訳・音声処理研究の成果として開発され、「ATR503文」の名称で広く知られています。

 音声認識(ASR)、音声合成(TTS)、音声分析など、さまざまな音声処理分野において、日本語音声データの標準的な読み上げ文セットとして、長年にわたり研究・開発の現場で活用されてきました。

 ATR音素バランス503文は、研究用途はもちろん、商用音声システムの評価・品質検証・モデル学習用途においても高い実績を持つ、日本語音声データの定番文セットです。

 ATR音素バランス503文は、AセットからJセットまでの10セットで構成され、各セットは50文単位(Jセットのみ53文)となっています。
 各セット単位でも日本語音素の出現バランスが保たれるよう文が選定されており、部分利用や段階的な収録・評価にも適した設計となっています。

本データセットでは、
 ●2音素連鎖:402種類
 ●3音素連鎖:223種類
の合計 625種類の音素連鎖を網羅しており、限られた文数でありながら、日本語音声の多様な音素構成を効率よくカバーできる点が大きな特長です。

■ 音声認識(ASR)用途
音声認識分野において、日本語音声の認識性能評価・モデル比較のための標準文セットとして利用されています。
 ●日本語音素および音素連鎖の出現バランスが取れているため、特定音素に偏らない
  認識性能の評価が可能
 ●少数話者・短時間収録でも、日本語音声の網羅性を確保できる
 ●モデル間の性能比較(WER / CER算出)や条件差評価に適している
 ●16kHz / 48kHz など異なるサンプリングレートでの比較実験にも有効
評価用途・ベンチマーク用途に強い文セットであり、研究・商用を問わず、ASRシステムの品質検証に広く活用されています。

■ 音声合成(TTS)用途
音声合成分野では、音素カバレッジを重視した学習・音質評価用テキストとして有効です。
 ●日本語音素および音素連鎖を効率よく網羅できるため、
 ●限られた収録量でも発音の安定した合成音声を得やすい
 ●話者依存TTS・話者非依存TTSの双方で利用実績がある
 ●音質評価・話者性評価・プロソディ評価などの基準テキストとして使用可能
 ●感情付与・話速変更など拡張実験のベース文としても使いやすい
TTSモデルの基礎品質を支える「土台となる文セット」として、研究用途だけでなく商用音声合成システムの検証にも適しています。

■ LLM × 音声(音声LLM・マルチモーダル)用途
近年の音声LLM・マルチモーダルAIの分野では、音声入力の品質担保・基礎データ整備用途として再評価されています。
 ●LLMに入力する音声の音素分布を安定させることで、音声→テキスト変換誤差の
  影響を抑制
 ●音声認識結果を前提とした要約・対話・指示理解タスクの評価に有効
 ●音声×テキストの対応関係が明確なため、音声理解・音声要約・議事録生成などの
  前処理データとして利用可能
 ●映像や環境音と組み合わせたマルチモーダル学習にも適用しやすい
音声LLM時代における「音声入力の基準品質」を支える文セットとして、従来用途に加え、新しい応用分野でも活用が進んでいます。

データ構成

 全文テキストデータ   サンプル
 連続発話リスト     サンプル
 文節区切り発話リスト  サンプル

価格

商用利用 ¥400,000(税別)
研究利用 ¥200,000 (税別)
アカデミック利用 ¥90,000(税別)

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