使用事例1(動画)|小型無線多機能センサ(TSND121/151)
小型無線多機能センサの使用事例を紹介します。動画、センサデータを是非ご参照下さい。
目次
- トランポリン演技
トランポリン演技時の様子をご覧頂けます。スポーツの運動解析に使用する加速度・角速度計測や、地磁気センサの利用例がご覧頂けます。 - ペットボトルロケットの打ち上げ
ペットボトルロケットにセンサを取り付け、打ち上げた際の様子をご覧頂けます。激しい動きをする 物体の運動計測やスタンドアロンモードを用いたPCレス計測、気圧センサの利用例がご覧頂けます。 - エレベータの加減速および階の変化に伴う気圧変化の測定
エレベータで昇降した際のセンサデータの変化の様子をご覧頂けます。エレベータの加減速や振動に伴う加速度の変化、気圧センサの利用例がご覧頂けます。 - TSND121を傾斜計として使用
TSND121を傾斜計として使用する簡易プログラムを作成し,テストを行った際の動画です。 - 姿勢角の測定(TSND151)
TSND151ではクオータニオン値を取得することにより、姿勢角を測定することが出来ます。「SensorController」を使用することにより 姿勢角を3D表示することがご覧頂けます。 - 角度測定(TSND151)
TSND151を2個使用して角度を算出するアプリケーションの紹介です。 - ドローンの飛行モニタリング
ドローンにTSND121を装着し飛行モニタリングを実施しました。飛行状態による加速度・角速度・地磁気・気圧の状態の変化がご覧頂けます。
注意事項
TSND121で新たに搭載した気圧センサを用いることにより、高さ方向の変化を計測することが出来ます。 ただし、気圧は天候等によって変化することから、絶対値として使用するのではなく、相対値(ゼロ点から の差分)として使用し、高度差として使用する必要があります。なお、気圧センサは30cmの変化もスペック 上は計測できますが、環境の影響やノイズ等により精度が充分に出ない場合もありますので、ご了承下さい。
搭載している地磁気センサを用いることにより、磁北を基準としたセンサの向きを計測・計算すること が可能です。ただし、地磁気の磁束密度は微弱なため、周辺の金属や磁気を帯びた製品により、計測値は大きく 影響を受けます。環境によっては、地磁気を正しく計測できない場合がありますので、ご了承下さい。また、 正しく計測を行うためには、「SensorController」等を使用し、計測場所でキャリブレーションを行った後に ご利用下さい。
トランポリン演技
トランポリン動作の測定
被験者の腰前部に小型無線多機能センサ(TSND121)を装着しました。
激しい動作でもセンサが脱落しないよう、伸縮性のあるベルトで挟むように固定しています。
センサを縦向きにセットしたため、X/Y/Z軸はそれぞれ、上/被験者の右手方向/被験者の体幹方向になります。
センサはPCとBluetoothで接続し、「SensorController」を使用して 設定・操作しました。計測データも同様に「SensorController」を使用 してリアルタイムで受信し、グラフ表示して確認すると共にディスク上に記録しました。
ではトランポリン演技の様子を見てみましょう。
※動画中ではコマ落ちしていますが、SyncPlay画面上では撮影動画およびセンサデータがスムーズに再生されます。
この動画では、撮影した動画とセンサデータを「SyncPlay」で同期再生しています。
X軸の加速度(最上段グラフの赤色)には、トランポリンの特異な弾性変化や跳躍時の大きな加速が記録されました。 また、横回転時にはZ軸加速度(最上段グラフの青色)が瞬発的かつ大きく変化すると共に、回転に応じて角速度 (二段目のグラフ)にも変化が記録されました。
次に地磁気の値(最下段のグラフ)に注目して下さい。
画面向かって左を向いてジャンプしている時と、右を向いてジャンプしている時とでは、Y軸とZ軸の地磁気の値が異なる ことが分かります。そして回転時には回転速度に応じた速度で値が連続的に変化し、一回転すると値も一周して元の地磁気の値 に戻っています。縦回転時にはX軸とZ軸が変化し、捻りながら回転する際には全ての軸に変化していますが、何れも 一回転すると値も一周して元の地磁気の値に戻っています。
運動物体の向いている方向を求める場合、初期方向および、角速度と時間の積の積分から求めるのが一般的です。しかし このような計算を行うとノイズ成分も蓄積されてしまうため、時間と共に誤差が大きくなります。
一方地磁気を用いた場合、誤差の蓄積を考慮しなくても良いため、方向の計測にとても有効であると考えら れます。ただし計測周波数が加速・角速度センサと比較して遅いため、必要な精度でデータが採れない場合があるかも しれません。このような場合は、定期的に行う積分値の補正のために、基準となる方角データとして使用するなどの 方法を採ると良いでしょう。
センサデータ(トランポリン実験) |
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計測にご協力いただきました、トランポリンの先生です。素晴らしい演技ありがとうございました。
ペットボトルロケットの打ち上げ
ペットボトルロケットの実験:通常打ち上げ
ペットボトルロケットの内部に、小型無線多機能センサ(TSND121)をしっかりと固定します。
「SensorController」を使用し、予めセンサに加速度・角速度、気圧の測定パラメータやオプションボタンの動作モード等を設定しておきます。ロケットにセンサを固定した後、横のオプションボタン押下することにより計測開始です。
再びオプションボタンを押して計測を停止するまでの間、計測データはセンサ内のメモリに保存され続けます。実験後、保存されたデータは「SensorController」を使用してPCに取り出すことが出来ます。
このように、予めセンサを設定しておけば、実験場所でPCを操作する必要がありません。Bluetoothの電波が届く距離を超えて計測を行ったり、PCを操作しにくい環境(この場合は水に濡れる危険性等)での実験を行う際に便利です。
水を詰めたペットボトルに、自転車の空気入れで充分な空気を送り込めば、発射準備完了です。
発射時の様子を、センサデータの変化と共に見てみましょう。
※動画中ではコマ落ちしていますが、SyncPlay画面上では撮影動画およびセンサデータがスムーズに再生されます。
この動画では、撮影した動画とセンサデータを「SyncPlay」で同期再生しています。
発射後、ロケットは水を噴射しながら一気に上昇し、約6秒間の滞空時間を経て、約100m程遠方に着地しました。
センサデータには、発射後に一気に加速して上昇した後に緩やかに落下、そして着地時に激しい衝撃と回転が加わったことが記録されていました。また、発射直後から気圧(中央グラフの赤い線)が下がり始め、最高到達点付近で最低値を記録し、着地時に発射前とほぼ同じ値となりました。
気圧センサのデータ(発射前と最高到達点の気圧センサ値の差分)から、最高到達点は約40mであることが分かります。落下時間から計算した値(0.5*9.8/(落下時間^2))も約40mとなり、気圧センサから求めた最高到達高度が妥当な値であることが分かります。
なお、気圧のグラフに見られる上昇中のヒゲは、負圧による影響が考えられます。また、着地時のヒゲは、コーンが潰れたことによる加圧が考えられます。
着地したロケットの写真です。
大きな衝撃と共に着地しましたが、ロケットおよびセンサが破損せず、また、計測も問題無く行えました。しかし、センサにこのように大きな衝撃を加えた結果破損した場合、保証の適用外となりますのでご了承下さい。
センサデータ(ペットボトルロケット実験1) |
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ペットボトルロケット実験2:コーン部に穴を開けて打ち上げ
1回目の打ち上げでは、上昇中に負圧が原因と考えられるヒゲが記録されました。そこでセンサが正しく計測可能にするために、コーン部に穴をあけました(写真)。この状態で打ち上げたところ、気圧データにヒゲが出ず、綺麗な放物線状のデータが記録されました。しかし着地時の衝撃に耐えられず、コーン部が大きく圧縮されて潰れてしまいました。
センサデータ(ペットボトルロケット実験2) |
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エレベータの加減速および階の変化に伴う気圧変化の測定
エレベータでの上昇・下降
某ビル(13階建て)のエレベータで計測しました。
ペットボトルロケットの実験同様、予めセンサのパラメータを設定しておき、オプションボタンの押下で計測を開始しました。
センサを手に乗せ、エレベータに乗ります。実験時の様子を、センサデータの変化と共に見てみましょう。
※動画中ではコマ落ちしていますが、Syncplay画面上では撮影動画およびセンサデータがスムーズに再生されます。
この動画では、撮影した動画とセンサデータを「Syncplay」で同期再生しています。
1階から乗り、13階まで上昇した後に一度停止。センサをエレベータの床の上に置き直し、1階まで下りました。
上昇するに従って気圧(下側グラフの赤線)が線形で下降し、下降するに従って気圧が線形で上昇していることがわかります。
また、エレベータの加減速や停止時に生ずる加速度変化や振動、エレベータ自体と乗っている人の加速度の違いも、明瞭に記録されていました。
センサデータ(エレベータ) |
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TSND121を傾斜計として使用
傾斜計
卓上で加速度センサのキャリブレーションを行い、重力加速度を元に水平(卓上)からの相対角度を計測しています。
キャリブレーション後、卓上に置いた場合のノイズによる誤差は概ね±0.2度程度でした。
そしてX軸方向はセンサを向かって奥側に傾けるとマイナス、手前に傾けるとプラス、Y軸は左を下にするとマイナス、右を下にするとプラスになるように作成しています。
画面上の「傾き方向」の部分は、下になっている方向を赤で表示しています。
加速度センサから得られる重力加速度を元に角度を計算しているため、常に運動/振動している場合は正確な角度を算出できません。
姿勢角の測定(TSND151)
センサの回転
「SensorController」でセンサとPCを接続し、センサを回転させてみましょう。
センサの回転に合わせて、PCに表示されている3D表示されたセンサも回転していることが分かります。
このようにリアルタイムにクオータニオン値を取得し、姿勢角を計測することが可能です。
角度測定(TSND151)
TSND151を2個使用した角度測定
TSND151を2個使用してセンサ間の相対角度を求めることが出来ます。
手首と上腕にセンサを固定して腕を曲げた時の角度を算出しています。
このようにクォータニオン値を使用して、センサ間の角度を算出することも可能です。
ドローンの飛行モニタリング
ドローンの飛行
ドローンにTSND121を搭載し、飛行させてみました。
飛行状態により加速度・角速度・地磁気・気圧の状態が変化しているのが分かります。